2023年5月も目が離せない核融合ニュースが多数!
この記事では、2023年5月時点での、核融合関連最新ニュースをまとめました。世界初の核融合発電の売電契約など、今月も最新ニュース多数!
当サイトのTwitterで発信したものをまとめています。是非、Twiterもフォローお願いします。 ➤ 核融合最新ニュースをタイムリーに知ることができます!
Tweets by fusion_teacher※ 下記ボタンをクリック後に、「Enter as a Visitor」を選択して進んでください。
京都フュージョニアリング シリーズCで総額105億円の資金調達を実施 2023.5.17
日本の核融合ベンチャーの1社「京都フュージョニアリング」さんが、電力、商社、金融など、各界から105億円の資金調達を実施したとのこと。
このニュースについて、驚くことは幾つかあります。
1つは、まだ日本には数が少ない日本の核融合ベンチャー企業が、このような巨額投資を受けたという点。日本の有名な核融合ベンチャーは、2023年5月時点で3社:京都フュージョニアリング・EX-Fusion・Helical Fusionの3社で、欧米諸国と比較すると数はまだそれほど多くなく、核融合産業化が遅れ気味である状況です。ですが、そのような状況でも巨額投資がなされるほど、日本の核融合ベンチャーの事業性に期待がされているということになります。
2つ目は、その105億円という調達額です。世界のトップ核融合ベンチャーの資金調達額が、数百億円~数千億円という実情を見ると、105億円という額は世界のトップ核融合ベンチャーに並ぶレベルなのです。
3つ目は、出資元です。今回の出資元には、関西電力グループ合同会社「K4 Ventures」や、電源開発株式会社といった日本の大手電力会社(発電事業者)が含まれています。つまり、発電事業者が核融合発電に期待を寄せているということ。そうなれば、電力送配電網へ核融合発電所を将来接続するときに、早期の理解が得られる可能性があります。
今後も、日本の核融合ベンチャーの動向に要注目です。
京都フュージョニアリングさん、100億円の資金調達をしたということは、
— 核融合の先生 (@fusion_teacher) May 17, 2023
核融合関連事業を拡大するということ、そしてそのために採用も増やすということ!
核融合就職を狙っている人は今がチャンス! https://t.co/qxSpYsjzXm
Microsoftが核融合ベンチャー「ヘリオン・エナジー(Helion)」と核融合発電の電力購入契約を締結 2028年から
皆さんもよくご存じのアメリカIT企業大手であるマイクロソフト(Microsoft)社が、核融合業界では世界初の、そして驚きの契約を結びました。
「マイクロソフトは2023年5月10日、核融合発電の米スタートアップ企業ヘリオン・エナジー(Helion)と2028年からの電力購入契約を締結したと発表。」
核融合の売電契約は、世界でも初めてのことです。そもそも、2023年5月時点では、発電をしたことがある核融合炉は世界に1つもまだありません。そのような状況で、5年後である2028年からの核融合発電契約を、しかも違約金付きで結んだのが、米国の核融合スタートアップ企業「ヘリオン・エナジー(Helion)」。違約金付きとは、つまり2028年までに核融合発電を成功させなければ、違約金を払う必要がある契約。この世界初の核融合発電計画によほど自信がなければ、結べない契約です。
もう1つ異例なのが、ヘリオン・エナジー社が進めている核融合の方式が、世界でも主流の「トカマク型」ではないということ。トカマク型方式は、世界最大の核融合国際協力プロジェクト「ITER」でも採用されている、研究が最も進んでいる核融合方式の1つです。ですが、ヘリオン・エナジー社は「FRC(:Field-reversed configuration、逆転磁場配位)」という方式を独自に発展させたものを採用しています。核融合発電を、業界でもメジャーではない独自発展方式で、世界で初めて達成しよう(むしろ、契約なので義務)というのですから驚きです。
しかし、こういったニュースは世界全体の核融合技術開発加速の火付け役になるので、同じような動きがどんどん起きるといいなと筆者は思います。
Today we announced that Microsoft has agreed to purchase electricity from Helion’s first fusion power plant, scheduled for deployment in 2028.
— 核融合の先生 (@fusion_teacher) May 10, 2023
→日本語訳
Helionていう民間核融合に挑戦してるアメリカの会社が、
マイクロソフトに2028年に核融合で作った電気を売るよー
‥ってマジか!!? https://t.co/mn4TDId1MY
日本の歴史上初の、「核融合国家戦略」が2023年4月に決定
日本国内でも、この春に大きな動きがありました。
2023年4月14日、次世代のエネルギー源として期待される核融合について、政府は日本初の開発戦略を正式に決定。所管する高市経済安全保障担当大臣は「産業化の推進を図るなど多面的なアプローチを展開し、実用化を加速できるようにする」と述べました。
日本での核融合国家戦略の策定は、日本の歴史上でも初めてのこと。これはつまり、核融合が1つのエネルギー研究分野という域を越えて、日本のエネルギー供給の一翼を将来担う技術として、政府に定められたことになります。
この核融合戦略には、大きく3つの軸があります。
★ フュージョンエネルギー・イノベーション戦略の3つの軸 ★
- フュージョンインダストリーの育成戦略 … 産業育成
- フュージョンテクノロジーの開発戦略 … 技術開発
- フュージョンエネルギー・イノベーション戦略の推進体制 … プロモーション
また、他分野技術とのマッチングの場となる「一般社団法人核融合産業協議会」(仮称、既存の核融合エネルギーフォーラムを発展的改組)の2023年度内設立、安全規制に関する議論、イノベーションを創出する振興技術の支援強化、教育プログラムの展開などを盛り込んでいます。
この核融合戦略について、当サイトでも記事化して解説をしております。ご興味がある方、詳しくは、以下のリンクからどうぞ。
【新着記事】
— 核融合の先生 (@fusion_teacher) April 28, 2023
日本歴史上初の核融合国家戦略 解説
日本が2023年4月に決定した、 核融合国家戦略 を解説します。
ポイントは「核融合の産業化」。
民間企業が核融合をビジネスにできるよう、
●産業育成
●技術開発
●プロモーション
を政府がバックアップ▼ #核融合https://t.co/VGUvu0yits
コメント