核融合の先生、新たな取り組み―プチ科学館・工作教室で地域振興

核融合の先生 工作教室
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先に 核融合Q&A-1~5 までを読んで頂くと、記事の理解が早まるのでオススメです

この記事では、核融合の先生が新たに始めた取り組みである「プチ科学館」「工作教室」イベントについて紹介します。

核融合発電(近年では、フュージョンエネルギーとも呼ばれる)は、その実現はまだ先ではあるものの、2020年代に入り急速に産業化が加速しています。そしてどの国が、あるいはどのスタートアップ企業が世界初の核融合発電を実証するのかが、注目されています。最近は連日のように、新聞社・ネット記事・テレビといったメディアが核融合を取り上げています。上記については、この「核融合の先生」Webサイトをいつも見られていたり、管理人の著書である「フュージョンエネルギーに備えよ」を購読頂いたりした方には、既にご存知のことかと思います。

そしてこの記事を執筆した1つ前の月に当たる2025年10月には、日本初の女性総理大臣である高市早苗首相が誕生しました。この方もまた、日本の核融合産業の成長のために、これまでも、そしてこれからもご尽力されると宣言されております。これまでは高市氏(旧科学技術担当大臣)の主導により、フュージョンエネルギー産業協議会フュージョンエネルギー・イノベーション戦略という国策など、日本が核融合産業化を進めていく上で必要不可欠な仕組みが構築されていきました。これからも、世界の核融合競争の中で日本も負けることがないよう、政府・大学や研究機関・産業界のそれぞれで、核融合発電の実現に向けた取組みが進められるでしょう。

では、早くから上記のような動きを察知してきた私「核融合の先生」が、地域の方々向けにプチ科学館や工作教室のイベントを開くことにどのような意味があるのか?その活動理由のところから、お伝えしたいと思います。

目次
核融合発電ワールド 出展レポート

核融合の先生 こうさくきょうしつ Instagram 始動!

理由をお伝えしていく前にまずは、この10月から新しく開設した「🌞核融合の先生 こうさくきょうしつ🧲」Instagramを紹介します。

ここでは、イベント情報、プチ科学館用の手作り展示品や、販売するグッズを紹介しています。

👇インスタグラムへのリンク👇

懸念は産業界と一般の方々の『認識のズレ』

早速ですが、核融合の先生が科学館や工作教室イベントを開く理由を述べていきたいと思います。

一言で、

核融合に対する「産業界と一般の方々の『認識のズレ』の解消」

のためです。

後ほど説明する、私がこれまでに行ってきた核融合情報発信の活動の経験上では、一般の方々には「核融合とはそもそも何か?」というところから理解がそれほど広まっていません。産業界の方々には既に、核融合反応の原理の理解や、現在は国際産業競争下にあることが知られてきています。しかし、それはビジネスチャンスや投資の機会を伺うためであることが多く、一般の方々には核融合の情報を追いかける理由があまりないのです。

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核融合に対する一般の方々の認識とは

将来の核融合発電所はほとんどの場合、放射線を扱う施設になります。放射線や、あるいは「核」という言葉は、一般の方々に話を伺うと、今もなお「怖い」という印象を受けると聞きます。核融合炉は、既存の原子力発電所のようなものだと一般の方々には認識されているようです。

核融合の先生 尾関による、産業界向けの活動とは

ここで、私がこれまでにどのような活動をしてきたかを簡単に紹介します。

まずはこの「核融合の先生」Webサイト・YouTube・Xを通した情報発信は、産業界及び一般の方々の両者に対して行っています。この活動を2023年12月に始めて、もうすぐ3年になります。

そして産業界に対してはこの他にも、電気新聞から9ヵ月に及ぶ隔週連載「フュージョンエネルギーに備えよ」の執筆を引き受けました(週間アクセスランキング1位を獲得)。また、2024年11月には、日本初の核融合産業展示会「Fusion Power World ~核融合発電ワールド~」になんと個人で出展しました。

こういった機会をさらに活用し、日本の核融合スタートアップの企業やフュージョンエネルギー産業協議会の方々とも交流・連携を深めています。特に、新たに核融合業界に就職あるいは転職する方々の多くは核融合の先生Webサイト等の存在を知っており、「勉強させて頂きました」とご挨拶を頂くことが多いです。核融合の先生は、既に核融合産業界の礎を担っているのです。

核融合の先生による、これまでの一般の方々向けの活動は?

次に一般の方々向けの活動ですが、実は私のプロフィールを見て頂くと分かりますが、2025年7月から岐阜県にある核融合科学研究所(略称:NIFS)に転職し、広報部隊として働いています。この仕事の中で、地元地域である土岐市の数々のイベントに研究所の説明員として参加し、地域の方々と交流を深めています。また、研究所へ来所された方々への説明も行っています。

また、過去には量子科学技術研究開発機構(略称:QST)の那珂核融合研究所(現在の那珂フュージョン科学技術研究所)に7年間、超伝導の研究者として働いておりました。その当時も、来所された一般の方々や学生方への説明を行っていました。

上記のように、産業界と一般の方々と、オンライン上の活動のみならず実際に交流(オフラインの活動)を行ってきたことで、冒頭で述べた「認識のズレ」があることを肌身に感じたのです。

将来の核融合発電所は、立地地域との連携が重要

上記の「認識のズレ」がある状態が残ると今後、核融合発電所の建設計画がどこかで上手く進まなくなることもあるでしょう。産業界の期待が先行しすぎると、地域の方々が戸惑うことが考えられます。

例えば核融合の技術について、地域住民の方々に正しく深く知って頂いた結果、「建設計画には反対だ」ということになるのであれば、科学技術的には理想的なプロセスを踏んでいます(その場合は少々残念ではありますが…)。

ただ、人々の交流や核融合技術の正しい理解、地域産業・振興に関する打合せなどが何もなしに、強引に核融合発電所建設のYes or Noの方向に走っていくのは良くありません。

また、青森県や茨城県のように、核融合発電所計画を地域振興の種と見て、既に積極的に誘致活動を展開している県もあります。ですが、特定の地域に立地が偏っては、日本全体の経済発展に対する核融合技術のポテンシャルが引き出せません。

こういった予測できる課題は、早くから解決に向けて取り組む必要があります。これが、「核融合の先生 プチ科学館・こうさくきょうしつ」イベントを開催しようと思ったモチベーションです。

かくゆうごうのせんせい こうさくきょうしつ

核融合を日本の産業に生かさねば「もったいない」

先程も述べましたが、私は最近、岐阜県の土岐市と多治見市の境にある「核融合科学研究所(略称:NIFS)」に転職し、広報部隊の一員として働き始めました。NIFSは、QSTと並ぶ2大国立核融合研究機関として30年以上の歴史があるのですが、地元の方々の中には「そんな施設が近くにあったんだ」という方もおられるほど、認知度が非常に高いというわけではありません。また、過去には実験を行うことへの反対活動もあったと聞いています。

歴史を積み重ね洗練されてきた日本の核融合技術は、高市総理大臣が言及するように、今後の日本が経済発展をしていく上でその一翼を担う重要な技術です。その技術が、地元の方々にすら認知されていないというのは、私からすれば「もったいないなぁ」と思ってしまうのです。知らないだけで、発展していくチャンスを逃してしまっているのですから。

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核融合の先生にしかできないこと

「核融合の先生」Webサイトは、元々はマスメディアの記者を育成することを目的に立ち上げました。Googleのような検索エンジンにヒットしやすい核融合関連記事を多く執筆したことで、核融合を熱心に調べる方は誰しもがこの「核融合の先生」に行きつきます。そしてメディアの方が読みやすい体裁に文章を仕上げることで彼らを教育し、メディアはさらに核融合の記事を書く。そうすると、今度は一般の方々の「核融合」キーワード検索ボリュームが増えるため、「核融合の先生」Webサイトがまた脚光を浴びやすくなるという循環が生じています。核融合の先生Webサイトは最近、累計閲覧回数10万回を突破しました。

このことから、上記の目的は概ね達成されたと感じています。

ただ、核融合の業界には、ITERプロジェクトにも携わった私から見て、まだまだ課題に感じることは多くあります。

その中でも、私が率先してモデルケースを作った方が良いと考えたのが、一般の方々へのアプローチなのです。

これは非常にセンシティブな課題であると考えており、この課題に利潤・ビジネスの当事者である事業者や、国・地域行政が入っていく場合は、「どうせ儲けたいだけなんだろう」と思われないよう、地域産業の振興につながるよう、配慮と深い検討が必要になると考えています。

この観点からは、核融合の先生は、第三者寄りの立場からの活動ができると考えています。

核融合の先生によるイベント と 地域振興

また、「核融合の先生 プチ科学館」イベントでは、地域振興のお手伝いの検討も進めています。例えばNIFSの地元地域である多治見市で開催するイベントでは、多治見市の特産品であるモザイクタイルを、工作に生かしています。

「核融合の先生」工作教室イベントで使う多治見のタイル

核融合の先生 企画・参加イベントの例

既に、単独でイベントを開催したり、地元のイベントへ参加する計画が進んでいます。

イベント情報は、最近新たに解説した「かくゆうごうの先生 こうさくきょうしつ インスタグラム」や、この核融合の先生Webサイトにアップしていこうと思います。是非フォローしてください👇

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