日本の核融合ニュース (2023年12月、2024年1月号)

JT-60SA運開式典の大臣ら
Ref: https://www.qst.go.jp/site/naka/20231226.html
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先に 核融合Q&A-1~5 までを読んで頂くと、記事の理解が早まるのでオススメです

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2024年は年明けから日本で核融合が熱い!最新ニュース

この記事では、2023年12月~2024年1月現在時点での、核融合関連最新ニュースをまとめました。この2カ月は日本で核融合関連の大きな動きが産学官のすべてで起こった濃密な時期。この期間での日本の動きを一気に紹介します!

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目次

JT-60SAファーストプラズマ達成&運転開始記念式典

JT-60SA全景
JT-60SA全景 画像引用元: JT-60SA初のプラズマ生成に成功~日欧で取り組む幅広いアプローチ活動で大きなマイルストーンを達成~ – 量子科学技術研究開発機構 (qst.go.jp)

まず、日本発で、世界に最もインパクトがあったニュースは、JT-60SAファーストプラズマ達成&運転開始記念式典でした

JT-60SAは、2024年1月の時点で稼働している装置の中で、世界最大のトカマク型の核融合向けプラズマ実験装置です。日本の茨城県那珂市にある、那珂核融合研究所というところに建設されました。研究機関名は、国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構(QST)です。

世界最大のトカマク型装置が、日本で無事に稼働し始めたことが、2023年10月23日のJT-60SAファーストプラズマ生成確認で証明されたのです。

その後、これを祝うためにJT-60SA運転開始記念式典が2023年12月1日に行われました。

高市科学技術政策大臣と盛山文部科学大臣のW大臣。加えて、自民党の衆参議員にヨーロッパからの多数の来賓も出席し盛大に行われました。その式典の様子は、以下のYouTubeで配信されています。

高市大臣と盛山大臣がJT-60SA運開式典に出席
高市大臣と盛山大臣がJT-60SA運開式典に出席 画像引用元:JT-60SAプラズマ運転開始(qst.go.jp)

このJT-0SAについて、さらに知りたい方は以下の記事をどうぞ。

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産学官連携組織「フュージョン・エネルギー・フォーラム」

2024年3月に、日本の核融合の産学官連携組織「フュージョン・エネルギー・フォーラム(仮)」が発足します。そして、その発起人として、以下の図にある19社が名を連ねました。

フュージョン・エネルギー・フォーラム発起人19社
画像引用元:「核融合発電」実用化へ、産学官連携組織の発起人19社に名を連ねた企業|ニュースイッチ by 日刊工業新聞社 (newswitch.jp)画像はタップして拡大できます

このフォーラムは、日本初の「核融合」の産学官連携組織です。発足後の活動としては、新産業創出に向けて最新技術の情報交換に加え、安全規制や技術の標準化に関する提言を行うそうです。

そして、この活動の中心となるのが、この19社の発起人というわけです。この内訳を見てみると、

  • 大手重工メーカー
  • 日本の核融合スタートアップ企業
  • 核融合装置向け高温超伝導線材メーカー
  • 三井住友系列の企業

が中心となっているようです。先生個人的には、三井住友系列の企業の存在感が目立つことが気になりますね。グループとして、核融合の推進を進めた先に、大きな事業を考えられておられるのかもしれませんね。

なお、この組織は2024年3月の設立までに会員企業を募っているところであり、50社以上の参加社・団体がいると言われています。

今後の活動が楽しみです。

参照記事: 「核融合発電」実用化へ、産学官連携組織の発起人19社に名を連ねた企業|ニュースイッチ by 日刊工業新聞社 (newswitch.jp)

ムーンショット型研究開発制度 目標10に「核融合」設定

ムーンショット型研究開発制度の目標10に、核融合が、次のように選ばれました。

<ムーンショット目標10>

2050年までに、フュージョンエネルギーの多面的な活用により、地球環境と調和し、資源制約から解き放たれた活力ある社会を実現

ムーンショット型研究開発制度とは?

そもそもこの制度は、「我が国発の破壊的イノベーションの創出を目指し、従来技術の延長にない、より大胆な発想に基づく挑戦的な研究開発(ムーンショット)を推進する国の大型研究プログラムです。

2023年末まで、9つの目標が設定されていました。(以下の図参照。)

ムーンショット型研究開発制度
ムーンショット型研究開発制度(2023年末まで) 画像引用元:ムーンショット型研究開発制度 – 科学技術・イノベーション – 内閣府 (cao.go.jp)

そして、今回新たに第10個目の目標として、核融合が選ばれたというわけです。

ムーンショット型研究開発制度の核融合(フュージョンエネルギー)
ムーンショット目標10 フュージョンエネルギーの多面的な活用 画像引用元:siryo1-2.pdf (cao.go.jp)

ムーンショット型研究開発制度における核融合の目標とは

この目標の中では、上の図にも示されるように、次のターゲットが設定されています。

<ターゲット>

  • 2050 年までに、様々な場面でフュージョンエネルギーが実装された社会システムを実現する。
  • 2035 年までに、電気エネルギーに限らない、多様なエネルギー源としての活用を実証する。
  • 2035年までに、エネルギー源としての活用に加えて、核融合反応で生成される粒子の利用や要素技術等の多角的利用により、フュージョンエネルギーの応用を実証する。

つまり、核融合をエネルギー利用することが1つ。そして、それだけではなく、核融合要素技術の応用展開も目標に設定されています。

ムーンショット型目標に選定されると今後どうなるか

この制度は、国が策定した目標です。さらに、プロジェクトごとにディレクターを任命・マネージャーを採択。そして、研究全体を俯瞰したポートフォリオを構築し、我が国の基礎研究力を最大限に引き出す挑戦的研究開発を積極的に推進し、失敗も許容しながら挑戦的な研究開発を推進します。

国がバックについて、研究開発の実施は科学技術振興機構(JST)や、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)等が担うということで、これらの機関が資金配分を担うものと思われます。

つまり、核融合の研究開発は、今後も長期的にJSTやNEDO経由で支援が行われ、国によって都度進捗状況がレビューされるとのこと。

つまり、国の長期的なバックアップの下で、核融合の研究開発は進むこととなったということです。

ムーンショット型研究開発制度の体制
画像引用元: ムーンショット型研究開発制度とは – 科学技術政策 – 内閣府 (cao.go.jp)

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日本の新しい核融合スタートアップ「LINEAイノベーション」設立

日本で新しい核融合の企業ができたという業界興奮な大ニュース
日本大学と筑波大学の研究者が核融合スタートアップ、LINEA(リニア)イノベーションを立ち上げました。

既にベンチャーキャピタル(VC)から7000万円を調達。米国民間でも開発が盛んな、「直線型」と呼ばれる方式で、核融合を目指すとのことです。この方式に挑むベンチャー企業としては、日本では初です。

なお、LINEAイノベーションの設立が日本にとってインパクトが大きいのは、この企業が核融合炉自体の実現に挑んでいるためです。どういうことかというと、核融合関連機器や関連材料開発に挑む企業は民間核融合企業の中には多数いますが、「炉」自体の実現に挑む企業というのは少なくチャレンジングであるからです。

また、LINEAイノベーションさんは、先述のニュースで解説した「フュージョン・エネルギー・フォーラム」の発起人としても参画しています。今後の活躍に大いに期待です!

補足① 日本大学の直線型プラズマ実験装置 FAT-CM

日本大学の直線型プラズマ実験装置 FAT-CM
FAT-CM装置における重水素FRCの衝突・合体実験。衝突時の相対速度は秒速500kmを超え,超新星残骸中の衝撃波現象などを再現できる。

画像引用元: 研究紹介 | 日本大学 – 日本大学 理工学部 物理学科 プラズマ理工学研究室 (nihon-u.ac.jp)

補足② 筑波大学の直線型プラズマ実験装置 Pilot GAMMA PDX-SC

筑波大学の直線型プラズマ実験装置 Pilot GAMMA PDX-SC

画像引用元 新たな超伝導ミラー型装置においてファーストプラズマの生成に成功 | 筑波大学 プラズマ研究センター (tsukuba.ac.jp)

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京都フュージョニアリングが超伝導分野でフジクラと協業

日本を代表する核融合スタートアップ「京都フュージョニアリング」さんが事業を拡大中!核融合装置向け高温超伝導線材メーカー大手「フジクラ」とタッグを組まれたとのニュース

京都フージョニアリングさんと言えば、日本を代表する核融合スタートアップ。フジクラさんと協業とは?

英国原子力公社(UKAEA) 主導「STEP(Spherical Tokamak for Energy Production)」の開発への協力

実は現在イギリスでは、STEP(Spherical Tokamak for Energy Production)というプロジェクトが進行しています。これは球状トカマクと呼ばれる、トカマク型方式をさらにコンパクトにした炉で核融合発電を実証しようというプロジェクトです。

イギリスのSTEP核融合プロジェクト
イギリスのSTEPプロジェクト(画像引用元; STEP – Spherical Tokamak for Energy Production (ukaea.uk)

この開発に向けた高温超電導マグネット(HTSマグネット)領域の研究推進を、京都フージョニアリングが正式に受注。そして、株式会社フジクラさんと共同で本格的な取り組みを開始するということです。 

フジクラさんは、既に米国の核融合スタートアップ大手のCommonwealth Fusion Systems(コモンウェルス・フュージョン・システムズ)社にレアアース系高温超電導線材の納入を開始しています。そのため、核融合炉用の超伝導線材に知見がある日本の企業です。

京都フュージョニアリングさんは、ジャイロトロンや熱サイクル・燃料サイクルに強みがある企業。でしたが、今回は新しく超伝導の領域に挑まれるということで、非常にチャレンジングな様子が伺えます。

関連記事 英国原子力公社からの核融合炉用HTS(高温超電導)マグネット領域の研究推進の受注に伴う株式会社フジクラと当社の取り組みについて  | NEWS | KYOTOFUSIONEERING

【別ニュース】カールスルーエ工科大学と協力協定を締結

上記のSTEPとは別のニュースになりますが、京都フュージョニアリングさんはドイツのカールスルーエ工科大学(KIT)と協力協定を締結したことを、2024年1月16日に発表しています。

この記事によると、「KITは世界のフュージョンエネルギー開発をリードする学術研究機関の一つで、フュージョンエネルギープラントに必要となる耐放射線性材料、液体金属、トリチウム増殖ブランケット、燃料サイクル、トリチウムの取り扱いなど、広範にわたる専門知識を有している」とのこと。

関連記事 京都フュージョニアリング、カールスルーエ工科大学と協力協定を締結 | NEWS | KYOTOFUSIONEERING

今後の京都フュージョニアリングさんの展開にも大いに期待です!

当サイトのツイートが 西村元経済産業大臣に「いいね」されました!

核融合の先生は、西村経済産業大臣からいいねを頂きました

当サイト「核融合の先生」X(旧Twitter)のポストに、西村元経済産業大臣から「いいね👍」を押して頂きました!

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