フュージョンエネルギー(核融合)日本政策化が加速 2024年5月

フュージョンエネルギー(核融合)日本政策化が加速 2024年5月
画像引用元: https://www.mext.go.jp/b_menu/activity/detail/2024/20240409_2.html
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先に 核融合Q&A-1~5 までを読んで頂くと、記事の理解が早まるのでオススメです

フュージョンエネルギーの政策変化が大きい!2024年5月

この記事では、フュージョンエネルギーの政策の変化について、2024年5月時点での最新情報を紹介します。

日本の歴史上初の核融合国家戦略「フュージョンエネルギー・イノベーション戦略」が2023年4月に策定されてから、日本でのフュージョンエネルギー(核融合)に関する政策の検討が加速しています。

特にその戦略策定以降に様々な動きが起きているため、2024年5月までの最新の政策動向を、この記事で紹介したいと思います。

目次
Fusion Power World

フュージョンエネルギー・イノベーション戦略 2023年4月(おさらい)

重水素と三重水素の核融合モデル
重水素と三重水素の核融合反応

フュージョンエネルギーとは、「核融合反応」が起きたときに生じるエネルギーのことを指します。

核融合反応の物理現象については、詳しくは以下の記事を読んでみてください。この記事では、政治的な動きに絞って解説をしていきたいと思います。

核融合エネルギーのことをフュージョンエネルギーと政策上呼ぶようになったのは、この記事の冒頭でも紹介した、日本の歴史上初の核融合国家戦略「フュージョンエネルギー・イノベーション戦略」が2023年4月に策定されてからです。

内閣府フュージョンエネルギーイノベーション戦略
https://www8.cao.go.jp/cstp/fusion/index.html

フュージョンエネルギー・イノベーション戦略の本文リンク: https://www8.cao.go.jp/cstp/fusion/fusion_senryaku.pdf

この国家戦略の解説を読みたい方は、以下の記事を参照してください。

以降この記事で、その後の日本国内における政治的な動きを紹介します。

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ムーンショット型研究開発制度 目標10に「核融合」設定 2023年12月

ムーンショット型研究開発制度の核融合(フュージョンエネルギー)
ムーンショット目標10 フュージョンエネルギーの多面的な活用 画像引用元:siryo1-2.pdf (cao.go.jp)

この制度は、「我が国発の破壊的イノベーションの創出を目指し、従来技術の延長にない、より大胆な発想に基づく挑戦的な研究開発(ムーンショット)を推進する国の大型研究プログラム」です。

ムーンショット型研究開発制度の目標10に、核融合が、次のように選ばれました。

<ムーンショット目標10>

2050年までに、フュージョンエネルギーの多面的な活用により、地球環境と調和し、資源制約から解き放たれた活力ある社会を実現

これについて、さらに詳しくは以下の「日本の核融合ニュース (2023年12月、2024年1月号)」で紹介しております。こちらを読んでみてください。

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自民党に「フュージョンエネルギープロジェクトチーム」発足 2024年2月

自民党フュージョンエネルギープロジェクトチーム
画像引用元: フュージョンエネルギーの実現へ新たなPT設置 | お知らせ | ニュース | 自由民主党 (jimin.jp)

自由民主党の党科学技術・イノベーション戦略調査会(会長・大野敬太郎衆院議員)は新たにフュージョンエネルギープロジェクトチーム(PT)を設置。座長の平将明衆院議員の下、政策提言の検討が始まりました。

なお、この記事の最後に、2024年5月に本PTより提出された提言についての解説があります。

フュージョンエネルギー産業協議会発足 2024年3月

2024年3月末には、フュージョンエネルギー産業協議会(J-Fusion)が発足しました。既にアメリカにも核融合の世界的規模の産業協議会がある中で、ようやく日本にも。

これについて詳しくは、以下の記事で解説しています。

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立憲民主党と国民民主党「フュージョンエネルギー推進議連」発足 2024年4月

立憲民主党国民民主党の議員有志らが、議員連盟「フュージョンエネルギー推進議連」を立ち上げました。

フュージョンエネルギー政策に関する検討を行うもので、立憲の大島敦衆院議員が会長、国民民主の竹詰仁参院議員が幹事長に就いたとのことです。

情報元: 目的は立憲と国民民主の「フュージョン」? エネルギー議連立ち上げ [立憲] [国民]:朝日新聞デジタル (asahi.com)

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フュージョンエネルギーの実証と商業化を加速する日米戦略的パートナーシップ 2024年4月

フュージョンエネルギーの実証と商業化を加速する日米戦略的パートナーシップ
画像引用元: 盛山大臣がターク米国エネルギー省(DOE)副長官と「フュージョンエネルギーの実証と商業化を加速する戦略的パートナーシップに関する共同声明」を発表 (mext.go.jp)

 4月9日(現地時間)、米国を訪問中の盛山大臣は、ワシントンD.C.にて、ターク米国エネルギー省(DOE)副長官と会談を行い、「フュージョンエネルギーの実証と商業化を加速する戦略的パートナーシップに関する共同声明」を発表しました。

この同時期に岸田首相もアメリカを訪問中であり、バイデン大統領との日米首脳会談が行われていた中での、フュージョンエネルギーに関する共同声明の発表でした。

2024年4月の日米首脳会談について: 日米首脳会談|外務省 (mofa.go.jp)

この共同声明により、今後文部科学省では、科学技術協力協定に基づいて設置された日米核融合調整委員会(CCFE)を活用し、以下のような戦略的な活動を推進するとのこと。

  • 科学的・技術的課題への対応や、研究開発施設の共用・開発
  • 核融合炉の規制に関する国際的な協調の促進
  • 産業界とも連携した、世界的なサプライチェーン発展の支援
  • 次世代を担う人材の育成や研究者交流の拡大
フュージョンエネルギーの実証と商業化を加速する戦略的パートナシップ
引用元: フュージョンエネルギーの実証と商業化を加速する戦略的パートナシップに関する共同声明.pdf

フュージョンエネルギーへの今枝 宗一郎文部科学副大臣の取組み 2024年5月

実は、文部科学副大臣の今枝 宗一郎氏が直々に、フュージョンエネルギーの解説やロードマップを作成されています。

今枝氏による、フュージョンエネルギーの一般の方向けの解説動画はこちらです。

また、フュージョンエネルギーの産業エコシステムロードマップ2050はこちらです。各国のフュージョンエネルギー開発に関する最新情報から、それらと日本との比較と取るべきアクションについて非常に整理されています。 私もイチオシ、非常に有用な資料であると感じました!

フュージョンエネルギーの安全規制の議論が内閣府で開始 2024年5月

 

フュージョンエネルギーの安全規制に関する議論
画像引用元: 核融合、安全規制の枠組み議論/内閣府TFが初会合 – 電気新聞ウェブサイト (denkishimbun.com)

核融合の安全規制について議論する有識者部会の初会合が、2024年5月10日に開かれました。

専門家会議は産業界のほか、核融合に用いる原理や燃料、放射線やエネルギー政策などの専門家ら13人が加わりました。

主査は調査会社マトリクスKの近藤寛子代表で、2024年度中には基本的な考え方を取りまとめるとのこと。

なお、欧米では既に核融合の規制検討が進んでおり、例えば米国の場合は加速器と同じ枠組みで扱うようです。(以下、「核融合の先生X(旧Twitter)」参照。)

関連記事:
核融合、安全規制の枠組み議論/内閣府TFが初会合 – 電気新聞ウェブサイト (denkishimbun.com)
核融合発電の安全規制議論、24年度中に方針 内閣府が初会合 – 日本経済新聞 (nikkei.com)

「フュージョンエネルギー基本法」制定に向けた自民党の動き 2024年5月

先程紹介した、「自民党フュージョンエネルギープロジェクトチーム(平将明衆院議員座長)」から、提言が出されました。そして、2024年5月14日に自民党政調審議会で了承されました。

従って、政務調査会の政策審査会通ったら、自民党の正式な政策提言となりました。

これについては、かなり重要な内容となるため、別の記事で私の方で読み解きたいと思います。先に知りたい方は、提言書の内容については、以下のX(旧Twitter)からのリンクをたどってください。

リンク:平将明衆議院議員公式サイト (taira-m.jp) 令和6年4月~5月 座長としての提言一覧

また、既に平氏から解説YouTubeが以下の通り発信されておりますので、こちらもどうぞ。

<2024年5月14日> フュージョンエネルギーを『国策』に

「フュージョンエネルギーを『国策』に」と題する自民党PTからの提言内容に関する記事をUPしました!

以下のリンクからどうぞ。

2024年に入り、日本ではフュージョンエネルギーの政策化の動きが加速!

ここまでで紹介したように、2024年は日本でのフュージョンエネルギーの超加速の年。

政治における様々なところで、検討・アクションが同時多発的に行われている状況です。

今後も政治的な動きに目が離せません!

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